My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
『初めまして、ティモシー。私はエミリア。ガルマー警部の娘よ』
『……』
2年前、警察の病院内
初めてエミリアと顔を合わせたのは、そこだった
普通に自己紹介をしてきていたけど
エミリアはオレの額の玉を見て、一瞬だけ悲しそうな顔をした
それが嫌だった
ああ、この女も他の大人達と同じだ
そう思って、嫌気が差した
『…うん。変な玉ね、それ』
『はぁっ? なんだよ急に!』
でもそれは最初だけで
オレと目線を合わせるように屈むと、エミリアは笑ったんだ
周りの大人達が愛想よく見せてくるような、そんな笑顔じゃない
にっと面白そうに笑う顔
『でも悪くないんじゃない? ファッションの一つだとでも思えば』
『意味わかんねぇ…っ無理あるだろそれッ』
『そうかしら? ほら、個性の一つだとでも思えば。案外いけるわ』
『聞いてねーよあんたの意見なんて!』
『ま! 何よその口の聞き方! 目上にはちゃんとした言葉使いなさいよね!』
『へんっ! 知るかンなこと! このおっぱいデカ女!』
『はぁあ!? ぬぁんですってぇええ!!!』
その後、女豹みたいに豹変したエミリアに追いかけられる羽目になったんだけど
親父が捕まって、オレが警察に保護されて
それから一週間後のことだった
初めて、誰かと本音で向き合えたのは
エミリアはガルマーに似て声もデカイしうるさいしすぐ手も出るけど
でも嘘はつかない
周りの大人達みたいに誤魔化してオレに笑顔を向けたりしない
エミリアのそういうところが好きだった
だから、そんなエミリアがいるならハースト孤児院に行ってもいいと思ったんだ
きっかけは、そこ