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My important place【D.Gray-man】

第41章 枷



「いっぱい食って大きくなれよ~」

「…あの、食べる邪魔しないでくれませんか」


 一体ジジさんの中で私は幾つなんですか。
 あまりにぐりぐりと頭を撫でくり回してくるもんだから、いい加減止めさせようと口を開いた時。


『何を…ッちょ、やめッ!』

『面会時間は終わってるんだ! 勝手に入ってくるんじゃ…ウゲッ!?』

『ひィっ暴力反対ッ!』


 何やら騒がしい声が、地下通路の出入口の向こうから届いた。
 なんだろう?


『コイツを取り押さえろ!』

『む、無理です先ぱ…うわぁッ!?』

『鬼! 鬼がいる…ッ!』


 どったんばったんと何かが暴れるような音と、警察であろう人々の悲鳴。


『邪魔だ退け』


 そして微かに聞こえた、低くドスの利いた声。

 ……。
 ……………なんだか凄く、嫌な予感。


「……」

「なんだぁ?騒がしいな……って雪、お前なんか顔青くないか」

 
 持っていたスプーンの動きが止まる。
 食事を中断して黙り込む私を、不思議そうな顔でジジさんが覗き込んでくる。

 …いや…嫌な予感がするんですよ。


「騒ぎの音、こっちに近付いてきてますねぇ…」

「…わ…私、トイレ」

「え?」


 食べかけのトレイを置いて、すくっと立ち上がる。
 こういう時の嫌な予感って当たるんだよね。
 もう何度も任務で組まされてきた所為で生まれた直感のようなものだ。

 …あの暴君様専用の。


「すみません看守さんっトイレ行きたいんですけどっ」

「トイレぇ?」

「お願いします漏れそうなんですっ!」

「女が漏れるとか言うな」


 硝子にへばり付いて見張りの看守さんを呼べば、呆れた顔で返される。

 そんなことどうでもいいから!
 本当漏れるから色んな意味で!
 恐怖でチビるかもしれないから!

 早くトイレ行かせて下さい!!

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