My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
✣
「いい加減食え、お前ら。いつまで渋ってんだ囚人の癖に」
「これが"飯"って言うのかよぉ…日に日に酷くなってねぇか?」
「これもうただの残飯ですよ…ぅぇ」
「ジェリーの飯が食いてぇ…」
所々煤汚れたプラスチックのトレイ。
その皿に無造作に詰められた、薄茶色のドロドロした料理。
すり潰したと言うより、煮込んで溶けきったかのような見た目のそれは、どうにも食欲をそそらない。
そんな獄中料理に、ジジさん達は一斉に渋い顔。
「囚人が贅沢言うな! お前らの仲間を見ろ!」
「仲間ぁ?」
「あの人達はオレ達の仲間じゃないですよぉ。同じGの容疑で捕まっただけで…」
「そうだぜ。なぁ、雪」
「いまふぁおなひひゅうひんなはまみたいなもんれしょ」
「「「……」」」
スプーンでもぐもぐと流動食のようなそれを喉に流し込んでいたら、渋い顔を更に濃くジジさん達は押し黙った。
え、何その反応。
「ほら見ろ、コイツはちゃんと食ってるだろ。お前らも見習え!」
「見習えって…よく躊躇なく食えるな、雪…そんな残飯」
「雪は地面に落ちたモンだって平気で食うからなぁ…」
「えっそうなんですか!? 先輩凄い!」
何が。
別に凄くないよ普通だよ。
地面に触れたくらい、拭けば食べられるでしょ。
流石に液体物は困るけど固形物なら大丈夫でしょ。
寧ろ躊躇する意味がわからないけど。