My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
一つ目玉の仮面に王冠を押し付けて頬擦りしながら、高笑いし続けるG。
「はっはっはっは──ウゲッ!?!!」
ムカつく笑い声を止めたもの。
それは俺と同じに、横から飛び込んできた野郎の繰り出した蹴りの一打だった。
「残念でした!」
ザザザッと屋上で弾き飛ばされたGの体が床を擦れる。
軽い身のこなしで地に足を付けたそいつが、白い髪を揺らして笑う。
「此処にも伏兵がいたりして♡」
にっと得意気に笑う顔。
その顔はいけ好かないものだったが、今回は目を瞑ることにした。
あれがGなら逃がす訳にはいかない。
モヤシを屋上で待機させておいて正解だったか。
「おおっ! やった!!」
「誰だあれ!?」
「美形の仲間だ! 追えぇええ~!!!」
「…チッ」
バタバタと美術館内に向かうガルマー達に、仕方なくとっ捕まえていた目の前の男から手を離す。
悠長に建物内から屋上を目指す気はない。
「Gを追う。マリはその場で待機してろ」
『了解』
手短にマリへの支持を出して、進んだ先は美術館の壁。
此処から上がれば警察よりは先にGの所へ行けるだろ。
ご丁寧な装飾が施された壁に僅かな足場を見つけて、地を蹴り跳ぶ。
そっちに行くまで、ちゃんとGを捕まえてねぇと殴るぞモヤシ。