My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「じゃあ早速、怪盗Gについて調査しないとですね」
「此処の警官に聞けば何かわかんだろ」
「ちょっ!? 何言ってんの!?」
話を進める俺達に声を荒げて反応したのは、ガルマーだった。
「黒の教団であっても、勝手に割り込んでくるな! これは俺のヤマだ──」
「警部!」
その罵声を止めたのは、慌しく地下室に転がり込んできた一人の警官。
息も荒く駆け寄る姿に、何かを悟ったのか。
ガルマーの表情が固まり止まる。
なんだ?
「予告状が…また…っ」
「──!」
はぁはぁと息を乱しながら告げる警官の言葉に、ガルマーだけでなく俺達や囚人達の目も一斉に向いた。
…もしや。
「怪盗Gの予告状が届きました…!」
案の定。
予想通りの言葉を成しながら警官が差し出したのは、"G"というロゴマークの付いた一通のカード。
雪達が着せられているコスプレ衣装の胸元のマークと、それは同じロゴを模っていた。
「きたぜ、また…怪盗Gの予告状がよ…!」
「今度こそ本物っ?」
本物?
ジジの隣で硝子にへばり付いて、予告状をガン見する雪の言葉に引っ掛かる。
「なんだ本物って」
「ぁ…うん。前回の予告状は偽物だったから…」
「偽物? なんで?」
「怪盗Gに成りすました別の怪盗が送り付けたのよ」
続け様に問いかけるモヤシに応えたのは、雪ではなくオカマの女男。
別の怪盗?
怪盗G以外にまだいやがんのか。
「別の怪盗ってなんですか?」
「それは…」
不思議そうに問いかけるモヤシに、雪が口を開いた時。
「ルパン三世だ」
別の声が遮った。
初めて聞く、知らない声。
「今回もその可能性はある」
ゴツゴツと、足音を立てて地下室の通路をこちらへ歩いてくる。
少ししゃがれた荒い声に、荒い足音。
見ればパリ警察の制服とは違う恰好をした男が一人。
茶系のコートに茶のスーツ。
同じく茶の帽子を被った…知らない顔。
誰だあいつ。