My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「この子はねぇ、あんた達とは違うの! 男と女は別の生き物なんだから、体も心も!もう少し丁寧に扱いなさいッ!」
「ボネールさん…!」
「男ばかりの此処じゃ、アタシしか理解してあげられないけど…アタシは何があっても雪ちゃんの味方だから。いつでも頼っていいのよ…!」
「はいっ!」
……。
…いやそいつ女じゃねぇから。
周りの背景輝かせて手を取り合ってるとこ悪いが、そいつもお前とは別の生き物だから。
寧ろ別次元の生き物だから。
現実を見ろ、現実を。
「それからあんた!」
「…あ?」
「雪ちゃんの恋人なら、ちゃんと考えて発言してやんなさい! 愛すべき人が嫌がってたら、身を挺して守る! 男の基本よ基本!」
びしりと俺を指差して怒鳴り散らしてくる女男に、つい眉間に力が入る。
なんで見ず知らずのオカマ野郎に、偉そうに駄目出しされなきゃなんねぇんだ。
「女の扱いがなってないわ、全く!」
「それには僕も激しく同意です」
「……ァあ?」
隣で爽やかな笑顔貼り付けて挙手してくるのは白髪頭。
更に眉間に力が入れば、ばんばんと激しく雪が硝子を叩いてきた。
「そ…っそれより任務! 任務が大事! 怪盗Gを捕まえないと…ッねぇマリ!」
「…そうだな」
場の空気を変えたいんだろう。
話題を逸らすように話を振る雪に、マリは苦笑混じりに耳のヘッドフォンに手を当てた。
「雪達や囚人達の心音からは、嘘を言ってる様子はないし。怪盗Gとやらに一度会ってみるか」
「…フン。コソ泥だろうがゴーストだろうが、イノセンスなら回収するまでだろ」
仕方なしに睨んでいた視線をモヤシから外す。
雪の安否確認が取れた今、優先すべきはイノセンスの調査と回収だ。
肉体がないだかなんだか知んねぇが、とっ捕まえてやる。
じゃないと雪の釈放もできない。