第1章 第一章
「宗近…お前どうして蛍丸に惚れたんだ?」
珍しく顔を赤らめる宗近に問う。別に恋愛話が好きな訳ではないが三人が惚れるとなると何か理由があるのだろう。
「そうさなぁ…俺はあいつを一目見たときに…こうビビビと頭に雷が落ちるようなショックを受けたんだ」
例えの意味がよくわからないが、とりあえず惚れたのは酔っぱらいの戯言ではなく本気らしい。
「宗近…がんばれ。多分お前のライバルは多い。少なくとも二人はいるだろうな」
「やけに具体的だなぁ」
「まぁいいんだよ。とにかく宗近は自分の心を信じたらいい。間違いだったとかそんな物は後から付いてくる結果だ、そんな事を気にする必要も無いしな。」
いつも人生相談をしてもらってばかりの自分だったが、今この時初めて役に立っていると思えた。
「宗近、がんばれ。未来は明るいぞ!」
最後にそれだけを言うと、頭から机に倒れこみ、安らかな寝息を立てて眠りについた。