第1章 第一章
宗近は自他共に認めるおじいちゃん。他の者が見ていない時はよく人生相談をしている程だ。
「宗近、どうしたんだ?」
「主…今俺はなぁ…酒を注ごうか」
何かを言いかけてから、まだそこまで少なくなっていないビールを注ぐ。
「おいおい、宗近らしくないな。…まさか恋でもしたのか?」
冗談半分に聞きながら、注いでもらったビールを飲む。
「あぁ、その通りだ主。よく分かったな」
「ブォッホ!!」
理由はよく分からないが口からビールがマーライオンの様に吹き出た。
「嘘…だろ?」
「相手は誰だと思う?」
吹き出たビールを片付けながら、ちょっとキレ気味に宗近が問う。
「蛍…丸?」
「よく分かったなぁ、主」