第1章 第一章
鶴丸は後悔した。なぜもっと早く手を打たなかったのか。一期が蛍丸の名を呼びながら自慰をしている時点で危機意識を持てばよかったのに。
(まぁ、今更悔やんだところでもう遅いか)
付け合わせの沢庵をかじりながら、心の中で落胆する。隣を見れば、三日月も同じであった。
三日月宗近。悔しいが、俺よりイケメンなのは確かである。レア度も高い為に審神者からはいつもチヤホヤされている。
鶴丸とてチヤホヤされるが、三日月程ではない。このように三日月は俺の全てを遥かに凌駕していた。
そんな俺が勝てる事といえば、相手を驚かせる能力の高さくらいだ。
その時、一つの考えが鶴丸の頭に浮かんだ。
ならば、唯一勝っている能力を使って、蛍丸を手に入れればいいんだ。