第1章 第一章
「蛍丸よ、俺と手合わせをせぬか。鶴とは比べ物にならぬほど楽しませてやろう」
「おいおい、じいさんじゃあ腰を痛めるぜ?」
鶴丸の言葉を笑って受け流すが、心の中は今にも抜刀しそうであった。
両者のにらみ合いが続いていたその時、ようやく蛍丸が喋った。
「鶴丸さん、三日月さん。ごめんなさい。蛍今日は一期さんに本丸を案内してもらうんだ。」
予想外の答えに二人とも目を剥く。まさか自分達以外にも蛍丸を狙っていた人物がいたとは。
「それじゃあ、午後はどうだ。午後ならば案内も終わっているだろう?」
「ごめんなさい、先に山姥切さんから誘われてて…」
二連続で先を越されて、倒れそうになった鶴丸を五虎退が支えた。