第7章 特別指南 1
「瑞原君は食事はもう取ったのかい?」
「いえ、これから頂きます。」
「じゃあ、一緒に食べよう。君の分も持っておいで。」
「え?」
「一人で食べても美味しくないし、一週間ここにいる間は相手になって貰えるかな?」
ニコニコと朗らかな笑顔で藍染隊長は膳に手を付けずに待っている。
「では、ご一緒させて頂きます。」
慌てて自分の食事を運んだ。
ちょっと緊張する……
更木隊長の所で皆でワイワイ食べたのとは違って、二人だし……
チラリと藍染隊長に目を向ける。
お箸の持ち方が綺麗。
姿勢が良くて、動きが一つ一つ綺麗で見惚れてしまう。
大人の色気みたいなのが漂ってる……
「そんなに見られたら穴が開いてしまうよ。」
いたずらっぽく藍染隊長が笑いながら言う。
「す、すみませんっ。」
しまった、失礼な事をしてしまった。
顔が赤くなるのが解る。
慌てて俯いてご飯を口に運ぶ。
「優姫君は感情表現が苦手だと卯ノ花隊長から聞いているけど、そんなことはないのかな?可愛いね。」
「うぐっ……ごほっごほっ!」
涙目になりながら見上げる。
からかわれてる……
「失礼しました。」
箸を動かしながら平静を一生懸命取り戻す。
「瑞原君の霊力の封印について話そう。」
食事もほぼ終わる頃突然切り出されてはっとする。
真剣な瞳で私を視る藍染隊長。
頭の先からじっくりと舐めるように視られている。