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その胸に抱くのは~BLEACH~

第6章 四番隊のお仕事3


五番隊の隊舎に着いた。

「四番隊の瑞原です。藍染隊長にご挨拶したいのですが、どちらにいらっしゃいますか?」

近くにいた隊士に声をかける。

「隊長は今講義の最中ですから、隊長の部屋でお待ち下さい。」

「はい、では失礼します。」

案内された部屋に入る。
整頓されて無駄なものがない部屋。
主の几帳面さが伺える。
書棚をみると難しそうな書物が沢山。
一冊取り出して目を通す。
少し難しいけれど、読み応えがある私の好みの書物だった。
暇潰しに、と読み出して危うく夢中になりかけた時、朗らかな声がした。

「やぁ、待たせてしまって悪かったね。」

ニコニコと笑う人の良さそうな男性。

「藍染隊長。すみません、勝手に……」

「いや、構わないよ。どれどれ、何を読んでいるんだい?」

ひょいっと手の中の書物を覗き込まれる。
近づいた拍子にふわりと香るのは白檀……

「この書物は読んでみてどう?」

「少し、難しいですが好きです。」

「そう?だったらこっちも気に入るかな?」

書棚から一冊取り出して見せてくれる。

「こっちを読んでからのほうがその書は読みやすいかな。貸してあげるから、読んでご覧。」

ふわりと頭を撫でられる。
なんだろう?
懐かしい感じ……
そっと目をあげると、眼鏡の奥の目が優しく微笑んだ。

「ありがとう、ございます……」

なんだか泣きたい気持ちになったのを誤魔化すためにぎこちなく微笑んだ。

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