第5章 四番隊のお仕事2
阿近さんが四番隊の隊舎まで送ってくれることになった。
そもそも私の体力が尽きるまであんなことした阿近さんのせいなんだけど。
いや、原因を作ったのは涅隊長なのかな?
とにかく歩くにもヨロヨロとふらつく足を何とか動かしながら隊舎へ向かう。
人目につかないところではおんぶまでしてくれる阿近に心がほっこりする。
こんな風に触れあえて、これはこれでちょっと幸せ……
だからって流されて阿近さんのものになります、なんて言ったら今日以上に大変な事になる、絶対。
まだ、その覚悟はない。
ふらつく私の肩を抱き支えて歩く阿近さんの体温を感じながら黙って歩いてる。
四番隊舎が見えてきた。
門の前に人影?
近づく阿近さんと私が目にしたのは、仁王立ちする卯ノ花隊長と虎徹副隊長……
私と阿近さんに気づいた卯ノ花隊長。
「優姫、こんな時間まで戻らないので心配したのですよ。」
どこかホッとした卯ノ花隊長の顔。
でも、私の肩に置かれた阿近さんの手を見た瞬間、なんだかどす黒いオーラが出てる気がするのは私の気のせい……
「優姫、お使いはどうしましたか?」
笑顔で静かに聞かれるほうが怖いです……
そういえば手ぶらで出てきてしまった!
「ちょっとトラブルがあって、明日うちの者に届けさせますよ。」
肩から手を離した阿近さんが出来るだけ冷静に答えてる。
「トラブル……ですか。わかりました。では荷物はお願いしますね。」