第5章 四番隊のお仕事2
「とにかく先に麻痺の薬を抜くぞ。媚薬もこの後解毒してやるから安心しろ。」
いつの間にか生理的に零れていた涙を拭ってくれた。
恐い顔からは想像できない優しく繊細な仕草で触れる指先。
「っん、ぁ……」
少し触れられただけでも身体中に駆け抜ける衝撃。
これを快感と呼ぶには強すぎる。
まさに衝撃だった。
驚きに目を見開き、動けない身体を強張らせて衝撃に耐える優姫の姿を見た阿近の目付きが妖しくなったことに優姫は気づかない。
指先でスルスルと頬を撫でられる。
「あっ……あぅっ……んっ!」
呼吸を繰り返すだけで必死な口からは、意図しなくても恥ずかしい声が出てしまう。
(やめてっ!こんな感覚耐えられないっ)
唯一意思を伝える瞳で阿近に訴える。
「綺麗な瞳と声だ。もっと泣かせてみたくなる……」
うっとりと自分を見る目は完全にイってる。
阿近さんが常識人で助かったと一瞬でも思った自分がバカだった!
この人だって技術開発局の、このマッドサイエンティストの集まりの三席だった!!
阿近さんがゆっくりと手を伸ばす。
右手で顎を掴まれた。
私と視線を合わせたまま、左手に持った薬を口に含んだ阿近さんの顔が近づく。
唇が触れた。
目眩がするほどの快感が沸き上がる。