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その胸に抱くのは~BLEACH~

第5章 四番隊のお仕事2


「ったく、冗談じゃねぇぞ。他の隊の隊士に手を出して研究とか。しかも卯ノ花隊長のとこのだろ?せめて許可を取ってからにしねぇと面倒なことになるぞ。」

ブツブツと悪態をつきながらも阿近さんは足音をさせずに素早く移動していく。
暫く進むと一つの部屋に入った。
唯一動かせる目で確認する。
本棚と薬棚が並び、机や床にも本が積まれている。
奥の寝室に運ばれ布団に下ろされる。
寝室にも所狭しと本が積まれている。

「今解毒剤調合するから待ってろ。」

阿近さんは薬棚からいくつか瓶を取りだして作業しているのかカチャカチャと音が響いている。
熱い……喉がカラカラになってる。
動かせない身体が少しずつ変化してる。
さっきまで感覚すらなかった手足に僅に痺れのような感覚が出てきた。
痺れ以外の感覚はなく、力が入らないのは同じ。
肌がピリピリしてる。
段々手足の指先から身体中に広がっていっ
てる?


「出来た。多分隊長が使ってる神経系統に効く麻痺の薬の解毒を……」


そこまで言った阿近さんが息を飲む気配がした。
でも、私はそれを気にする余裕がなくて……
さっきから肌のピリピリが身体中を巡っていて、死魄装に包まれているだけでもザラザラと違和感を感じて苦しい。


「はぁ、はぁ……」

浅い呼吸を繰り返す。
それだけで上下する身体に今まで感じたことのない感覚が走る。


「媚薬かよ……。隊長何のデータ採る気だったんだ?」


(媚薬!!)


恋愛や男女の営みに疎い優姫にだってそれくらいの単語の知識はあった。
その恐ろしい単語の意味することに思い至り悲鳴を上げたくなる。
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