第5章 四番隊のお仕事2
ドサリとベットに投げ出される。
「ここで待っていて下さい。」
無機質な声としゃべり方で涅副隊長は出ていった。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう。)
これから何をされるか解らない恐怖に叫び出したいがガスのせいで声すら出ない。
助けも呼べない。
まさかこんな風に強引に監禁されるなんて思わなかった。
卯ノ花隊長が絶対に関わるなと言った意味がようやく解った。
でも、こんな理不尽が許されるほど隊長って偉いの?!
涙か出そうになった時、扉の外から微かな声が聞こえた。
「阿近さん、こっちです。この部屋に入れられたのを見ました。」
「解った。廊下を見張れ。」
受付にいた同級生の声と、低い男性の声。
阿近さん……確か十二番隊の三席!!
もう迎えに来たってこと?
恐ろしい実験の妄想で頭が一杯になる。
目の前の扉の鍵が開けられ、一人の男性が部屋に滑り込んできた。
パニックになる寸前だった。
「大丈夫か?取り合えず、隊長に見つからないように部屋を移す。まぁ、薬が効いて無理だとは思うが暴れるなよ。」
優姫を素早く抱き上げて部屋を出る。
「阿近さん、大丈夫ですか?」
「取り合えず俺の部屋に運ぶ。悪いが俺の机の上の書類を隊長に渡してくれ。興味を移せばこの娘のことは暫く忘れるだろ。」
苦々しい顔でチッと舌打ちする顔が凄く怖いけど、助けてもらえるの?