第5章 四番隊のお仕事2
三番隊では黙々と作業を進めた。
やっぱり十一番隊とは違って怪我が少ないから健康確認の作業はさほど時間も掛からず終わりそう。
「後は吉良副隊長と市丸隊長だね。行こうか。」
「は、はい。」
出来れば吉良副隊長の確認を私が担当したい!
でなければ命の危機を感じる。
「あ、あのっ、花太郎さんっ健康確認ですが市丸隊長の方を」
「もう終わったん?」
お願いします……の言葉は真後ろから聞こえた声を聞いた瞬間喉の奥に飲み込まれてしまった。
気配がまったく無かった。
でも、今真後ろにいるのは……
肩にコツンと当たったのは顎ですか?
「ひっ……」
短く息を吸い込み、目だけでチラリと視線を右へ送る。
最初にさらさらの髪が見えた。
顔を動かしたら絶対頬が当たる!!
完全に動けなくなった優姫の顔をチラリと見たあと市丸ギンは細い腰に腕を回した。
「ひゃっ……」
真っ青な顔で短く悲鳴をあげる優姫に吹き出しそうになるが、知らん顔をしてさらに力を込めて抱き締める。
「じゃ、山田君はイズルを見てくれるか。優姫ちゃんはこっちな。」
そのまま自分の部屋まで固まった優姫を引きずって行く。
(いやぁぁぁーーーー!)
真っ青になって涙目で助けてと訴えられたけど無理だったよ、と後から花太郎に謝られたのだった。