第8章 特別指南 2
情事の痕跡を流して部屋に戻ってきた。
というよりは惣右介さんに運ばれた。
激しい行為を立て続けに強いられた身体は腰が痛むし、足に力が入らず自分で歩くことが出来なかった。
浴室でも身体を洗うと称していやらしい手つきであちこち弄られた。
両方の太ももの内側には紅い花びらが散っていて見るたびに思い出してしまう。
部屋に戻ってからは着替えを手伝ってくれたり惣右介さんが甲斐甲斐しく世話をしてくれて申し訳なくなってくる。
「すみません、ご迷惑をおかけして……」
「無理をさせてしまったのは僕だからね、反省しているよ。今日は横になって休むように。僕も部屋での仕事に専念して側にいるようにするからね。」
甘い微笑みにときめいてしまう……
いいのかな……
思い切り流されてこんなことになっちゃって……
チラリと惣右介さんの顔を見る。
「いいんですよ。」
「えっ?」
頭を撫でながら優しく目を細めた惣右介さんが、心を読んだように語る。
今はすっかり隊長の顔と口調に戻ってる。
「君の淋しいと思う気持ちにつけ込んだ僕が悪い。優姫はずっと頑張りすぎだよ。たまには甘えて肩の力を抜きなさい。優姫の気持ちは応えてくれるまで待つよ。」
頬を撫でる手に手を重ねる。
「こんな風にされるのは初めてで、どうしていいのかわからないんです。」
手の暖かさに涙が滲む。
「こうして、難しく考えないで甘えて笑っていたらいいんですよ。」
涙を指ですくい頬に口付けられる。