第7章 特別指南 1
…………
寝てしまったか……
諦めた様に嘆息して藍染は腕の中の愛しい存在を抱き締める。
昼に京楽隊長から使いが来た。
いい酒が手に入ったから今夜飲みに来ないかと誘われたのだ。
優姫も居ることだし、出来るだけ側にいたいので断ると、お裾分けにと一本届けてくれた。
酒に酔わせてどうにかしよう、という陳腐な考えが全く無かったとは言わないが……
酒に酔うとどうなってしまうかも見てみたかったのもある……
お猪口に一献注いで飲ませてみた。
優姫は初めてのお酒とあっておっかなびっくりという感じで、嘗めたり少しずつ飲んでいた。
そろそろお猪口が空くだろうかという頃、ゆらゆらと頭が揺れていた。
「優姫君、少し酔ってる?」
声をかけると赤くなった頬と潤んでぼんやりとした瞳で見上げてきた。
そんな顔をされて大丈夫だと微笑まれたら、我慢できる訳もなく、押し倒そうと手を伸ばした。
グラリと揺れた優姫が腕の中に倒れてきた。
着物の胸元をきゅっと掴まれ、微かな声がした。
「あいぜん、たいちょ……」
呂律が回らなくなったのか舌っ足らずな口調が可愛くて顎を掴んで仰向かせると口づけた。
始めから舌を入れてぐちゃぐちゃに絡ませて、優姫の舌も吸い上げて貪った。
そこまでは良かった……
優姫も酔っているせいか積極的に舌を絡めてきたし、胸元を掴んだ手が背中と頭に回されて抱きつかれた。
求められた幸福感が更に藍染を興奮させた。
このまま奪ってしまおうと、唇を離しきつく抱き締めた。
寝所に連れ込もうと腕の中を見ると、スウスウと寝息を立てて幸せそうに眠る優姫がいた。