第7章 特別指南 1
切子硝子の美しいお猪口を一つ渡された。
藍染隊長がお猪口に瓶の中の液体を注ぐ。
黄色がかった透明の酒がお猪口の中を満たしていく。
「大吟醸だから飲みやすいと思うけど、少しずつ楽しんでご覧。」
どうぞ、と促されてお猪口の中身をペロリと嘗めてみる。
味は殆どしない?
フルーティーな香りが口の中に広がる。
確かに飲みやすい?のかな?
もう一度お猪口に口を着けてコクリと一口飲む。
喉から胃袋までが熱くなった。
藍染隊長が自分で注ごうとしているのを見て慌てて注がせてもらう。
「す、すみません、気が利かなくて……」
「ははは、いいよ気にしなくて、誘ったのは僕だし、初めてのお酒の味を楽しんで。」
特に気にした様子もなく、始めの一献を注がせてもらった後は藍染隊長は自分で飲んでいた。
お酒強いんだな。
すいすい飲んでるのに全く酔っていく様子もない藍染隊長にびっくりする。
ちびりちびりと嘗めるように飲んでいくうちに頬がポカポカとしてきた。
軽い目眩の様な感覚と浮遊感が気持ちいい……
酔ってきてしまったかな?
「優姫君、少し酔ってる?」
愛染隊長が心配そうに訊ねる。
「はい、少し酔ったみたいです。いえ、大丈夫なんですけど……」
クラリと視界が揺れた。
倒れそうになった所を藍染隊長に抱き止められた。
鼻孔をかすめる白檀の香り……
藍染隊長の服の胸元をきゅっと掴んだ。