【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
大規模な雪崩が起こり、様子を見に駆けつけた彼女達の耳に、助けを求めるロイの声が聞こえたそうだ。
雪面からわずかに顔をのぞかせている私に気付き、すぐさま掘り起こしたという。
雪の中から引きずり出された私は、ロイの防寒具の裾をしっかりと握り締めていたらしい。
彼女達が雪の中からロイを救出出来たのは、そのわずか数分後の事だ。
「アンタの仲間は即死だったよ。」
「そんなはずないよ!!
だって…私はロイと話したんだ!!」
「あぁ、私達もアンタの仲間の声を聞いた。
だけど、アンタの仲間は間違いなく即死だ。
口が聞けるはずがない。」
困惑する私に、彼女は「遺体を見てみるといい。」と、納屋に案内してくれた。
筵に包まれたロイの遺体。
その顔を見た私は、彼女の言っている事がようやく理解出来た。
“口が聞けるはずがない。”
その顔は醜く潰れ、優しく穏やかに微笑むロイの面影はどこにもなかった。