【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
ロイの言葉に、私の瞳からはなぜか涙が流れていた。
その涙は頬を伝い、冷たい雪へと滲んでいく。
近くにいるはずのロイ。
それなのに…
ロイが遠くへ行ってしまう。
そんな妙な胸騒ぎとともに、私の手足は徐々に感覚を失っていった。
「サラ!!人が来たよ!!」
朦朧とする意識の中、ロイの叫ぶ声が聞こえた。
小刻みに震える唇を動かそうとするが、上手く言葉にならない。
「おーい!!こっちだ!!
助けてくれー!!」
そう叫び続けるロイ。
ねぇ、ロイ?
ロイも無事なんでしょ?
また、みんなで笑って会えるんでしょ?
“ミケを頼んだよ。”だなんて、どうしてそんな事を言うの?
ねぇ、ロイ…。
声にならない私の問い掛けは、涙となって雪の中へと消えていった。
まるで木漏れ日の中にいるような、そんな穏やかな眠気が身体を襲う。
遠くなっていくロイの声。
そんな私の頬を、生暖かい何かが舐める感触がした。
うっすらと目を開ける私の目に飛び込んできたのは、桃色の舌をのぞかせた真っ白い大きな犬だった。