【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「………サラ。
…サラ、起きるんだ。」
胸を圧迫する雪の重み。
口と鼻を雪で塞がれた事による息苦しさ。
私は一瞬、意識を失っていたのだと思う。
名前を呼ばれ、目を覚ました私は、不思議な事に雪面からわずかに顔を出す事が出来た。
相変わらず身体はピクリとも動かす事は出来ないが、何とか呼吸をする事は出来る。
ひどく咳き込みながらも吸い込んだ空気に、自分はまだ生きているのだという実感がわいた。
それと同時に、ロイは無事なのだろうかという思いが頭の中を駆け巡る。
「………ロ…イ?」
そうつぶやく私に、どこからともなくロイの声が聞こえてきた。
「サラ?無事かい?」
「…ロイ?」
「あぁ。大丈夫かい?」
「…うん。…ロイは?」
「俺は大丈夫だ。
サラが無事で良かったよ。
もう心配ない。
もうじき人が来る。」
まるで頭の中に直接聞こえているかのようなロイの声。
きっと、すぐ側にロイがいるのだろうと、私の心は徐々に冷静さを取り戻していった。