【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「…ロイ、何か聞こえる。」
まるで地鳴りのような耳障りな音が、かすかに聞こえたような気がした。
「…あぁ。何の音だ?」
そう振り返ったロイと顔を見合わせながら、私達はその場に立ち尽くした。
後ろからは他の班員達が、一歩一歩確実に雪面を登ってくる。
その足音とは明らかに違う“何か”の音。
ギィ…ギィ…と何かが地面を這うような音。
今まで聞いた事のない…不吉な音。
その音の正体に気付いた時には、私とロイは上から崩れてくる雪の塊に飲み込まれた後だった。
「逃げて!!」
後ろを歩いていた班員達にそう叫ぶのが精一杯だった。
ロイと私は硬い雪の塊とともに斜面を転がり落ちる。
“雪崩”に巻き込まれた。
そう理解出来たのは、重く硬い雪の中、指先ひとつ動かす事が出来ない状況になってしまってからだった。
春先の雪山は雪崩が起こりやすい。
そんな話を聞いたのは、ずいぶん後になってからだ。
目を開く事さえも出来ない私は、重く冷たい暗闇の中、ともに雪崩に巻き込まれたであろうロイの無事を祈った。