【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
何時間歩いただろう。
湿った雪に足をとられながら進む私達には、折り返し地点である山頂がとても遠く感じた。
後ろを振り返ると、そこにミケ達の班の姿はなく、辺りには私達の班だけがポツンと取り残されているようにも思えた。
「それにしても、さっきから他の兵士達の姿はおろか、鳥の鳴き声すら聞こえない。
まさか、道に迷ったんじゃ…。」
あまりの静けさに、私の少し後ろを歩いていた班員の女子兵士が不安気な声をあげた。
「道に迷うはずがないよ。
そもそもこの雪山には最初から“道”なんて無いんだから。」
私の言葉に「そうだよね…。」と、女子兵士は応えたが、澄み切った青空の下、ザクザクと雪の音だけが辺りに響く光景はどこか不気味で、これから起ころうとしている“何か”の前触れのようにも感じた。
「大丈夫。
このペースだとあと2時間もあれば山頂へ行けるよ。
そうだろ、サラ?」
「…うん。
このまま何もなければいいんだけど。」
妙な胸騒ぎを感じ、先頭を歩くロイの背中を見つめた…その時だった。