【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「雪って、もっと柔らかくてフワフワしてるものだと思ってたよ。」
ロイはそう笑いながら私の前を歩く。
普段積雪にみまわれる事のない南側の地区で暮らす私達にとって、雪はとても柔らかいものだという印象があった。
水分を多く含んだ雪はとても重たく、そして硬い。
太陽の光に照らされた雪の表面は、キラキラと輝いてとても美しく見えたが、左目でしかものを見る事が出来ない私にとって、それは雪面の凹凸が全くわからいという状況を作り出していた。
私は前を歩くロイの足跡を頼りに山を登るしかない。
やはり、自分は誰かに頼らなければ生きていけないのかと、激しい自己嫌悪が胸を襲った。
「サラが同じ班で良かったよ。」
「…え?」
「だって、サラはいつも俺達とは違う…もっと大きな視点で物事を見ている様な気がするんだ。」
「…そんな事ないよ。」
「いいや。
サラは間違いなく指揮役に向いていると思う。
きっと、ミケだってそう思ってるよ。」
そう言いながら振り返るロイの笑顔が何だかとても眩しく見え、私は微笑みながらゆっくりと視線を落とした。