【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
その年は驚くほどの暖冬で、訓練兵である私達が北方の山岳地帯へとたどり着いたその日、辺りは春のような暖かさに包まれていた。
兵団から支給された防寒具を着用すれば、じんわりと汗がにじみ出てくるような陽気。
毎年吹雪に見舞われる事が多かったせいか、同行していた訓練兵団の教官であるキースは、“今年の訓練兵は運が良かったな。”と皮肉混じりに言っていた。
私達は教官の指示通り、雪山のふもとで班を編制し、裏側にある村を目指して歩き出す。
心配そうに私を見つめるミケを残し、私は班員とともに雪深い山へと入った。
暖かな日差しに照らされた雪は重く湿っていて、何度も足元をとられそうになりながら、木々の間をかき分けるように道なき道を進んだ。
振り返ると、すぐ後ろからミケ達の班も同じルートをたどるように進んでくるのが見えた。
「残念だったね。
サラとミケが一緒の班じゃないなんて、初めての事だろ?」
ロイがそう微笑む。
「私はミケがいなくても、しっかりやれるよ。」
この日、私は初めてロイと同じ班で行動を共にする事になったのだ。