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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第15章 創痍(そうい)




その頃…

手術室の前のいすで、三輪は動かずにいた…


遊真「よっ、兄弟。

恵土の具合、どうだ?」

三輪「…どうもこうもない。

あれから5時間経ったが…未だに」


遊真「ふむ。そうか…

元気ないな。ツッコむ気力もないとは」

三輪「うるさい…」


遊真「…少しは信頼したらどうだ?

こんな所で死ぬような奴じゃないだろ?」

三輪「…お前は見たことが無いから言えるんだ…

手足をだらんと投げ出したまま
壁を背に力尽きたまま気を失った、弱々しいあいつを…」


遊真「確かに、見たことないな。

それでも、恵土は恵土だろ?


俺は信じてる。

だから、やるべきことをやってから来た」

三輪「…今はそれよりも…
恵土の安否の方が、何よりも重要だ」

遊真「…毛布被らないと風邪ひくぞ?」

三輪「構うな…

それよりも…あいつが心配なんだ」


遊真「…それで風邪ひいたら怒られるぞ?」

三輪「知るか。
このまま寝て、起きた時に死んでいた方がよっぽど嫌だ」


遊真「…少し、昔話でもするか」

三輪「?」


遊真「恵土が昔、俺に教えてくれたことだ…


『何もしないで後悔するよりは
何かをして後悔した方がいい。

どちらにしろ、後悔するのだから』


そう言った後、説明してくれた…


『何も出来ないで、両親も姉も村も失った…

それよりも、何かをして…護れて
それでもまた失って…結局は後悔した。


どちらにしろ…後悔してばかりだった…


後悔しない日なんて、全く無かった…


あの時、あぁしていればと…

悩んでいけば、それこそキリがなかった…


それでも、悩まずにはいられなくて…


悩んでばかりで

苦しんで後悔し続けていた、そんな中で…


やっと、遊真に出会えた。

皆に出会えた…


だから、私は幸せなんだ^^


後悔も、悩みも、苦しみも…

それごとひっくるめての幸せだと、感じるようになった…


掛け替えのない、お前たちのおかげで

感じられるようになったんだ…(微笑)


だからさ、遊真…(手を遊真の頭にのせる)

本当に、ありがとう^^』


…だから、少しでも出来ることをした方がいい。

どうせまた会うんなら、笑って会えるようにしような?b(キラン」


そう言いながら、毛布を三輪へ被せた

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