第15章 創痍(そうい)
恵土が手術室へ駈け込まれてから
医師「出血があまりに多すぎる…)
家族の方ですか?」
三輪「…はい」
医師「最善の手は尽くします。
ですが、助からない可能性が高い。
覚悟してください」
そう手術室へ入ろうとする中
看護師「前の患者の手術で
同じ血液型の保存血を使ってしまって
在庫がほとんどありません!!!」
医師「なに!
今から血液センターに発注しても間に合わんぞ」
三輪「俺の血を使って下さい!!
同じA型です!!
今すぐにでも使えば!」
「しかし、相当の量を」
三輪「構いません!!
俺にとっての家族は、恵土以外いないんです!!!!
お願いします!!!!」
医師の腕を掴んで迫る中…
決断する…
医師「…事は一刻も争います。
相当量とることになりますが、いいですか?」
三輪「頷く)…」
医師「解りました。
取られた後は、必ず安静にして下さい」
その後、同様に駆けつけた
太刀川、風間、木虎たちもまた血を送ることになった…
歌川「俺も!」
菊地原「ダメですって。
1隊につき1人じゃないと、次々出てきて対処しきれなくなるでしょ?
我慢してください、我慢」
風間「いい判断だ。
ではいってくる」
菊地原「いってらっしゃ~い」
歌川「せめて…何か;」
菊地原「祈って寝てて下さい。うるさい」
歌川「グサッ)…;(ズーン」
A型の人で送ろうとしていた人が、もう一人いたが
羽交い絞めされて止められ、泣く泣く断念せざるを得なくなった…
レイジもまた、同様に血を送ろうと来ていた…
(玉狛第一隊で1人なのでOK)
そうして…
30%以上の急性出血による、重度の出血性ショック
左脇腹上部(脇から12cm下)、
右から左へかけて8cm、深さ5cm。28針(細かい針)。
後ろへのけぞったことで肺の損傷は若干減少、
第7~第8肋骨の隙間を通すようにしたが、肺ごと切り裂かれたため傷は深い。
胸壁損傷、
大量血胸のあとあり、
一時、胸腔内に大量の血液がたまり
循環血液量の減少による出血性ショックをきたし、血圧は低下。
左肩関節、亜脱臼(脱臼に近い)。
などの症状が判明してから
肺の手術を終え、大量の輸血をした状態のまま肩関節を戻していた。