第38章 祝勝会(悪夢と現実)
そして、その頭を
自身の顔の横に来るようにしてから
迅は恵土を抱き締めていた。頬同士を付けながら…
小さい時、抱き締めてはそうして
頬ずりし合っては
迅「くすぐった~い^^♪
あっはっはっはっ^^」
恵土「あっはっはっ^^
♪(すりすり」
一緒になって笑い転げたり
それでありながら、互いに離さずにいた時のように……
迅「この想いが、叶わないことは解ってる。
でも、だからこそ…潰れさせたくなんかはないんだ」
そう言いながら
集中治療室で死にかけていた恵土の姿を思い出していた。
それと共に、真剣な表情を浮かべていた。
迅「もう二度と、あんな恵土は見たくない。
人のために傷付いて、死にかけた所なんて…
だから…
そのためにも、言うよ」
そう言いながら、顔を離して
真正面から、恵土の目を見ながら言い続けた。
迅「もう、報われてもいいだろ。
その頑張りも、今までの積み重ねてきた重荷も…
重荷になりたくないのは解ってる。
でも、遠慮しなくていい。
そんな間柄じゃないって、俺が保証するよ(微笑)
実際、俺たちもそうだっただろ?
重荷となるような思いことをどれだけ言っても
お前は、真摯に聴き入っては受け入れてくれた^^(なでなで)
風間さんがいい例だろ?(微笑)
だから…もう、大丈夫。
遠慮なんて、全くしなくていい。
思いのままにぶつけたっていい。
何を言ったって、受け入れる。
だから…
安心して、全部ぶつけたっていいんだよ」
穏やかに微笑みながら、言っていた。
その言葉に、恵土の目には涙がにじんでいた。
恵土「ありがとう(微笑)
本当に、今までもずっと
これからも、いっつもありがとう^^
気付けなくて、ごめん(涙目)
私は…
ここに居てもいいって、望まれてるってことさえも解ってなかった(涙)
ましてや、ぼろぼろになっても心配されないのが日常だったから
その習慣が、どうしても抜けなくってさ…(右手で涙をぬぐう)
最終的に、私がどうなってもいいって思ってた。
本気で、それが当たり前なんだって思い込んでたんだ;
きっと、それで辛い思いを一杯させたと思う。
だから…
私には、皆の傍にいる資格なんてないって;
ずっと、思ってたんだっ…;」