第38章 祝勝会(悪夢と現実)
だからこそ、ブラックトリガー争奪戦の時
太刀川は名を呼ばれてすぐに、風間ごと迅を斬ろうとした。
昔に身につけた、幾多にもわたる連携の一つとして
風間「俺は、嬉しかったんです(微笑)
このことがあって、やっと大事にしてくれると…
自分をないがしろにしないといけなかった。
その常識が、痛いほど身についていたことは知っています。
それで、抑えるために
これからを生きていくために、自身の心を殺そうとして
それでもしなければ生きていけなかった状況で
大事にしないといけないという板挟みの中で…
あなたは、自身の心を殺すことを選んだ。
一番、人が傷付かないと思いながら…
それを聞いて、俺は学びました。
無駄な時などないのだということを…
そして、どんなにひどい目に遭って
それが悪夢所か地獄とまで感じることが、常にあったとしても
必ず、どこかに繋がっているのだということを……^^」
そう笑いながら
満面の笑みで笑い合う所を思い出していた。
バカげたことを一緒にやる内、笑い転げる風景を見て
それに、自分に向けて嬉しそうに笑い続ける恵土を見て…
なぜか、温かくて…
どこか、おかしく感じて…
腹の底から
心の底から、笑いが止まらなかった。
風間「兄を失ってから、笑えなくなっていた。
ただ、恵土を探すことに明け暮れて必死だった…
そんな中、再び出会って笑うことを思い出した。
心の底から笑い合うことも
その幸せも
恵土のおかげで、思い出したものだった(微笑)…
今という日々があるのも、生きているのも
兄の願いを受け取って、生きてこれたことも…
俺にとっては、全てが恵土先輩のおかげでもらったものです。
俺が間違わないように支えてくれて
今もこうやって
ボーダーという道に立っていることも、含めて…(微笑)
経験も、戦術も、戦い方も…
恵土先輩のおかげで、ここに来れて戦い続け
培われてきたものです(微笑)
俺は、恵土先輩が目の前で庇って
重傷となった日のこと(451ページ参照)を忘れたことはありません。
庇われて、それが死に掛ける所なんて見たくなかった。
だから必死になって強さを追い求め続けるようになっていた。
その過去は、変わりません」
言いながら思い出し、辛そうな表情を浮かべた。