第16章 審神者の帰還
その後、土下座するゾンビ、可愛我が子が居るので、というポーズをとる幽霊。
たくさん命乞いをするモンスターが居た。
なんていうか、凄く倒しにくい。
「あのさ、倒されてくれないと、経験値が入らないんだ」
今現在、ドロップ品を差し出され、『命だけはお助けを』という展開になってる。
モンスターさんは、皆ガタガタと震えながらお互いの手を握り合ってる。
凄い、狩りにくいよ……。
「じゃ、じゃあさ、他に同じくらい強いモンスターは居ない? できれば、経験値が稼ぎやすい場所がいいな」
みっちゃんが、彼らの目線に合わせながら話してくれる。
そのおかげで、どうにかコミュニケーションがとれるんだ。
そうして、モンスターさんは地図を書いてくれた。
その場所は、さっきのミカエルさんが居た場所を通り過ぎた場所だった。
危ないから、候補から退けてたんだよね。
「ねぇ、この子たちが可哀想だし、そっちに変えようよ」
「そうだ、どうもやりにくい」
モンスターさんは、ぱあっと嬉しそうな笑顔になり、しきりに頷いてる。
「そうだね、流石にこのモンスターとは戦えないよ」
そういうことで、僕らは狩場を変えることになった。