第16章 審神者の帰還
私は、ベルちゃん(仮名)に教わりながら空を飛ぶ練習をする。
「そうよ。根本から羽を動かさないと、すぐ疲れてしまうから。いいわよ、上手くなってるわ」
現在、ベルちゃん(仮名)のおかげで一人で飛べるようにはなった。
でも、まだ綺麗な飛び方じゃないらしい。
というわけで、追加訓練を受けてる。
そうそう、もっと離れた場所で鶴丸が空を飛ぶ訓練をしてる。
やっぱり、教官は男の人だ。
「ほら、もっと力強く羽を動かすんだ。次で手を離すぞ?」
「わわっ、ちょ、ちょっと待ってくれ!!」
「ははっ、大丈夫大丈夫。落ちそうになった時、必ず俺が助けるさ」
空を飛んでると、吹き抜ける風邪の感覚が心地いい。
冷たい風の気持ちよさって、バイクとかでも味わえるよね。
でも、あんなバシバシ肌に当たるようなキツイ感じじゃない。
風が僕の肌を優しく撫でる感じだ。
凄く、凄く気持ちいいよ。
「うふふ、上手よ? もう一人でも大丈夫そうね。試験合格よ?」
「わぁ、ありがとうございます」
鶴丸は……、まだまだ時間がかかりそうだなぁ。