第16章 審神者の帰還

「優ちゃん、流石にここの設定は狙いすぎじゃ?」
「――あー、ここまで俺は指定してないよ。開発じゃない?」

R18禁にしたけど、流石にこの設定は引くよ。

「うーん、でも廃止にさせると作った人が凹むからなぁ」
「追加設定にすれば?」

自由に装備の見た目を変えられる機能は、このゲームだけ。
だから、お洒落目的で始める人だって居ると思う。
そんな人を逃すのはもったいない。

というわけで、今日サービス開始の水没庭園（R18）は、サービス開始が延長になった。
時間は、一時間くらいもあれば追加設定に移行できるとか。

その間に、僕らはゲームをする。
しかし、弟は気になる箇所を見て回るらしい。
まぁ、あくまで僕らは弟の付き添いついでだからね。
それでも、先行で入れるって、なんか気持ちいい!
この前みたいな、狩場争いになる前にレベルを上げないと。

こうして、僕はゲームのゲートを潜る。
すると、この前みたいな世界とは違った。
そっか、あれはエルフの村だもんね。

そうすると、ここは天使の村?
ギリシャ神話に出てきそうな建物がいっぱいあって、地面も雲で出来てそうな感じ。
所々に蔦が張ってるけど、これどう見ても葡萄の葉っぱだよね?
なんで、こんな所に葡萄?
作り間違いかなぁ……?