白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
零蘭を上から睨み付ける紫原に対し、怯むことなく下から睨み返す零蘭。一触即発、この試合で一番そうと言えるであろう雰囲気に、誠凛と陽泉の一部の人間は固唾を飲んで見ていた。止めようにも二人の気迫に足が進まない。
紫原『それにさ、いつまで中学のレベルだと思ってナメてんの?俺はもう白ちんより強いんだよ』
『っ....』
紫原『人を見る目なくなった白ちんが育てたやつらに負けるわけない。この試合はもう終わりだよ』
『....っ上等じゃない!まだ誠凛は終わらないわ。ここから目にもの見せてあげる。そのお粗末な慢心を潰してやるわ!』
紫原『....あぁ?』
氷室『そこまでだよアツシ』
黒子『零蘭さん、抑えてください』
ついに見ていられなかったのか、氷室と黒子はそれぞれに駆け寄り、二人を出来るだけ引き離す。
黒子『みんな心配しています、戻りましょう』
『....ええ、ありがとうテツヤ』
氷室『アツシ』
紫原『分かってるし』
氷室『にしても意外だな、アツシが。いや、誰かがレイラに喧嘩腰になるなんて』
紫原『俺達幼なじみだから、付き合い長い分よく喧嘩してた。中学は殆どなかったけど小学校とかは割と...ま、そもそも誰も白ちんと喧嘩なんてしたくないでしょ。嫌われて捨てられるかもとか考えるだろうし』
氷室『アツシは?』
紫原『少しは...』
氷室『少しは、ね。(喧嘩をよくしていて、だけど今でも互いに好きでいる。口では言うが二人とも無意識にどんなに酷い喧嘩でも、決して嫌いにならないという確証があるんだ。相手がそうだと知っているんだ。幼なじみだからこその絆)...羨ましいな』
紫原『室ちん?』
日向『おい、大丈夫か?』
『申し訳ありません、みなさん』
リコ『いや、ウチは全然平気だけど問題は貴女よ。凄い険悪だったけど...』
『大丈夫です、いつもの喧嘩です。とても懐かしい、久しぶりの大喧嘩になりそうですけど。さあ、直るまで作戦会議でもしましょうか』
ゴールの取り替えが終了の合図と共に、試合は再開。早々紫原の攻守強烈なパワーが衰えることなく炸裂し、点差が開く一方。