白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
『いいのよ。ちょっとこれ係りの人に渡してくるね』
部品を握りしめながらコートへと足を踏み入れると、ゴールの周りに集まった審判や会場設備の大人達の元へ向かっていく。
『あの、これがうちに跳んできて』
?『それは..!大丈夫でしたか!?』
『はい、なんともありませんでした』
部品を渡し、ベンチへと帰ろうとした零蘭の目の前に、紫原が立っていた。無視するわけにもいかず、彼の目の前で止まると、おもむろに口を開く。
『何か言いたげね、敦?』
紫原『...怪我とかしなかった~?』
『あの部品のこと?ええ、軽くキャッチできたし問題ないわよ?』
紫原『ならいいけど.....』
『他にもあるんじゃないの?』
紫原『.......白ちんさ、何であいつらなんかに期待してるわけ?』
『何ですって...?』
紫原『黒ちんも、火神も他のやつらも俺に全く歯が立たない。おまけに死にかけの木吉っていう荷物まで抱えて、そんなのに期待したって勝ち目なんてあるわけないじゃん』
『体格に恵まれ、才あるものが勝つ...と?』
紫原『そうだよ』
『小物がどんなに技術磨いても努力しても意味がないって?』
紫原『さっきからそう言ってんじゃん』
『...なら私の、私の努力も意味がないってことね?』
紫原『?』
『私はあの時、貴方達に勝負を挑み勝った。だけれど結果としてなんの解決にもならなかった。そういう意味では確かに無意味だったのかもね...。
みんなはさ、私のバスケを見て天才だと言ってくる。でもね、何もしてこなかった訳じゃない。血の滲むような努力をしてきた...知らないでしょう?』
黒子『零蘭、さん?』
『私には体格も才もない。でも何度も身体中に傷を作っても練習を止めなかった。その甲斐もあって貴方達を相手することができたの。彼らだって同じよ、ここまで勝ち上がってきた実力がそれを証明してる』
紫原『はぁ...白ちんさ、見る目なくなったね』
『....』
紫原『今までのレベルが低すぎて麻痺してんの?現に俺の体格と破壊力で誰も何も出来てない。実力差が歴然なの白ちんだって分かってると思ってたのに。弱いやつらを信頼するその考え、俺には全く理解できない』