白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
そのパワーに、半ば諦めかけていた木吉だったが、自らを奮い立たせリバウンドを取ろうと手を伸ばす。が、紫原にバイスクローを使われボールをとられる。火神と共にそのままダンクに跳ぶ紫原をブロックしようとするも破壊力に吹っ飛ばされた。
更にその場から動けずにいた。完全な体力切れだった、そんな彼の元に手が差し伸べられる。その手を掴むと、グッと持ち上げられる。彼の手を掴んでいたのはあろうことか紫原であった。
紫原『これが現実でしょ、結局あんたはなす術なくあげく体力も尽きた。あんたが引っ込めばインサイドは完全に死ぬ。どうあがいても誠凛の負けだよ。で、どう?また何も守れなかった訳だけど、楽しかった?バスケ』
心を抉るような言葉に、弱々しく口を開き喋ろうとするが言葉出てくることなく、悔しげに唇を噛んだ。
?『誠凛、メンバーチェンジです』
日向に肩を貸してもらいながらベンチへ戻る木吉と、交代の黒子がすれ違う。
黒子『木吉先輩』
木吉『すまんな...後は頼むわ。勝ってくれ』
ギリッと強く噛み締めた唇から血が流れる。それほど悔しがる木吉の姿に、黒子は真っ直ぐ意思の強い瞳で紫原と対峙する。
黒子『紫原くんはさっき木吉先輩が抜けたらどうあがいても誠凛の負けと言いました』
紫原『うん』
黒子『まだ終わってませんよ、それに...いなくても意思は受け取っています。ベンチで見守ってくれている、彼女の意思も。だから、僕が代わりに君を倒す!』
『お願い、テツヤ...っと、大丈夫ですか?ゆっくり座ってください』
フラつく木吉を支え、ベンチへと降ろさせると、少しでもとタオルやマッサージの準備を開始する。
木吉『っすまん白崎』
『無理をしすぎなんですよ貴方は。全く、少しは仲間を信頼してくださいね?』
木吉『ははっ、手厳しいな...でもそうだ、こういう時こそ仲間を信頼しなきゃな』
黒子『人の努力を否定してしまう君には絶対に負けたくない!』
紫原『だからそういう綺麗事がウザいっつってんだよ、黒ちんさぁ!!』
『(....テツヤ、敦。思えば二人とも普段は仲は悪くないのに、価値観の違いでよく衝突してたなぁ)』