第62章 痛い思い
私と彼は車の中でゆっくりと過ごしていた
しばらくは
普通の話をして過ごした
そして間を見て
私はゆっくりと彼に話す事にしたのだ
「大倉さん、あのね・・・・」
私の切り出しに
彼は優しい表情で見つめていた
「実は、誕生日の日に・・・・
彼からの手紙が届いたんです・・・」
私の言葉に彼は驚いた顔をした
「曜日指定の手紙だったみたいで
亡くなる前に書いてしたんだと思います」
私の言葉にゆっくりと頷いた
大倉「・・・・そっか」
「私、今の自分が彼を裏切っている
気持ちになったんです・・・
幸せになってしまって」
彼は私を見つめ続きていた
「でも、私は教えてもらいました・・・
何が大切なのか・・・」
大倉「・・・そっか」
彼は真正面を見てため息をついた
その様子を私は見て
彼の手をそっと握った
彼は私をまた見た
「私の大切なものです・・・・」
私の言葉に面食らった顔をしたが
彼は嬉しそうに笑顔を見せると
私の手を優しく握り返した
大倉「・・・おん」
照れ臭そうな彼の顔を見て
「ずっと傍にいたいです・・・」
私は胸の奥の言葉を伝えた
その言葉を聞いて
彼は嬉しそうに
大倉「俺はずっと離さんよ・・・」
そう言うと私を強く抱きしめたのだ
私は彼の胸に顔を埋めて
何度も返事のように頷いていた