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モノグラム

第59章 答え





こんなにも

私の身を案じてくれる人がいる




『あのね・・・・』




私は、彼女に話す事にしたのだ

彼女は一通り話を聞くと




彼女は話を聞くと

しばらく考えるようにため息をついた




『先輩、いくら悲しんでも

過去は変わらないですよ』




彼女は厳しい口調で言ってきた

そして更に話を続けた





『・・・先輩の一番大切なモノって

なんですか?』




彼女の質問に私は驚いた




『・・・大切なもの?』



彼女は間を置かずに聞いてきた



『そうです、大切なモノです

それさえ見失わなきゃ

何があっても大丈夫ですよ』




彼女は私にそう告げたのだ

私は彼女の言葉で考えた





自分の大切なモノを






目を静かに閉じて見ると

私の脳裏に浮かぶのは

昨日の悲しそうな彼だった





私の大切なモノは



無くしたくないモノは





不器用だけど、誰よりも温かい手

子供みたいだけど、良く笑う表情

そして冷たそうに見えるけど

本当は誰よりも優しい人




『ありがとう・・・・』




私のその言葉に彼女は察したのか




『答えが見つかったのなら

良かったです・・・』





『うん・・・

本当にありがとうね』





私の返事を聞いて

彼女は電話を切った





私は

彼女に感謝していた





本当の大切なモノを教えてくれて

過去ではなく

今を未来を見る事を教えてくれて




私は、目の前にあった

彼からの手紙を手に取って

タンスの引き出しの奥に直した





そう、大切な思い出として・・・・

奥にしまったのでした



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