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モノグラム

第57章 罪





彼は直ぐに

二人の中の空気が違う事に

気が付いたようで

笑顔の顔つきが変わる




大倉「どんなんしたん?

何かあったんか・・・」




心配そうに私を見つめる彼に私に





「いいえ、何もないです」




冷たく答え俯いた私を見て

彼は何か感じたように

しばらくの沈黙の後に




彼女に優しく言った





「今夜は、ほんまに悪いんやけど

このまま、こいつを連れてくわ」




そう言うと

私の腕を強引に引っ張って

歩き出して

彼女の前から去って行ったのだ






その腕の強さに痛みを感じ

私は途中で

腕を振り払いながら見つめた



すると、彼は私を強く睨み




大倉「言いたい事があるなら

ちゃんと言えよ」



その言葉が、なぜか私の胸に刺さった

怖かった・・・・




何も言えずに俯く私に

彼は続けて言った




大倉「前にも言たっけど

何も言わんと誰も気持ちを

分かってあげられへんねんで

煩わしって逃げる前に

自分で手を伸ばさんと・・・」



何も言わない私を静かに見つめていた




私は言えなかった

過去からの手紙が届いたと

伝えると彼は傷つくだろ

私の恋に疑いを抱くかもしれない

それが怖かった・・・・




何も言わない私を見て

彼はため息をつくと




大倉「・・・言える時まで

待ってるな・・・」




そう言うと優しく頭を撫でたのだ



私の胸が大きく痛む

彼の優しさが辛かった

優しくされれば、されるほど

私の過去の罪が責めるようで・・・




私は勝手に自分を責め続けていたのでした
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