第57章 罪
その日の夜に仕事に入ったが
私の表情を見て仕事場の人は
驚いていた
そんな私を見て
仕事場の親友の彼女が
心配して声をかけてきてくれた
「・・・体調が悪いんですか?」
気にするように見てくる
彼女に
私は小さく彼女を見て微笑んだ
やせ我慢の笑顔で
「大丈夫だよ・・・
ちょっと寝不足なだけだから」
私の言葉に彼女は疑うように言った
「そうなんですか・・・
無理だけはしないでくださいね」
私は頷きながら答えた
「うん、ありがとうね・・・」
私の返事を聞いて
彼女は仕事に戻って行った
何度も私を心配するよに
見ながら
私は仕事をしながら考えていた
亡くなった彼と過ごした日々を
彼が居なくなって過ごした日々を
私はここで一人耐えていた日々を
そして
私を救ってくれた大倉さんの事を
今の私はここから始まった事を
自分が歩いて来た道のりを
仕事が終わり帰りの道も
ほとんど無言で歩いていた
たぶん彼女も何を話していいか
迷っていたのかもしれない
人の気持ちを察する事の出来る
人だからよけいに・・・・
その私たちの所に
何も知らない彼が現れた
大倉「おす、お疲れさん」
私は静かに彼を顔を見た
そして彼女はいつものように声をかけた
「こんばんは」
彼女は必死で空気を
変えようとしたのだろ
でも、私は彼の顔を見ても
心は明るくはならなかったのだ