第55章 手紙
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お前がこの手紙を読んでいる時は
まだ俺の隣にいてくれているのかな?
5年後の事なんて分からないが
指定で届くようにした。
もし、別れていたなら
馬鹿なことをした男だと笑ってくれて
読まずに捨ててくれ。
もしまだ俺たちが付き合っているなら
俺と結婚して欲しい
俺の気持ちは絶対に変わらない
自信があったから
5年後の手紙を書いて
お前に届けました
誰よりも愛しているから
ずっと俺の傍にいてください。
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読み終えた私の目からは涙が溢れていた
彼は亡くなる前に
この手紙を曜日指定して出していたのだ
二人が結婚してもおかしくない年の
私の誕生日の日に・・・・・
私は、手紙を握りしめて
ひたすら泣き続けたのでした
そして、彼との思い出が
私の胸を強く焦がしていたのだった
そう、今日
彼がしてくれたサプライズより
彼との思い出に私の胸は
熱くなっていたのだった
彼からの手紙が
涙で濡れていく中で
私は・・・・
自分が選んだ道に謝っていたのだった
こんなにも、私を思ってくれた
彼を裏切る形になった事を
後悔していたのだった
自分勝手な女だと
一人責め続けて泣き続けたのだった