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モノグラム

第54章 プレゼント





そして

車が信号に引っかかり

静かに止まると



彼が自分のポケットから

何かを取り出しながら






大倉「遅くなったけど、俺から・・・」




私にラッピングされた

小さい箱を手渡した




「えっ?」




私が驚きながら受け取ると




大倉「開けてみ?」




私は言われたように開けると



「こ、これは・・・・」




大倉「どう、気に入った?」




彼は嬉しそうに言った時に

信号が変わり

また車が動き出した




「大倉さん、これって・・・」




私は、箱の中のモノを見て

驚きを隠せずにいた




大倉「やからな・・・・

そう言うことやって」




彼は得意げな顔をして

運転していた





私は箱の中にあった

鍵を取り出すと

それを運転しながら

見ていた彼が




大倉「俺の部屋の合鍵や・・・」



私は俯いた

その姿を見た途端に

不安になったのか




大倉「えっ、やっぱ

そんなプレゼントじゃアカン?」




焦りなら私に言う




私は首を振り答えた




大倉「でも・・・

やっぱ、プレゼントとしたら

不味かったか・・・・」




彼の言葉に

私は首を振り続ける



大倉「じゃぁ・・・」



彼は心配しながら言うので




私は震える声で伝えた



「嬉しくって・・・・

これって彼女の証かなぁって・・・」



その言葉に彼の嬉しそうに

微笑んでくれた



大倉「そうやで!

だからな、これから何かあったら

部屋に来たらええからな?」



そう言うと運転しながら

私の手をそっと握ったのだ



「・・・はい」




私は涙を拭きながら微笑んでいた



そう誰よりも幸せで





でも

私は何も知らなかったのだ



人の気持ちほど

簡単に壊れやすい事を

この先に

それを知る事になるなど

知らずに


私は、永遠に続くと思われる

幸せをかみしめていたのだった




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