第51章 心配事
仕事の帰りの二人の会話も
その話になっていた
私のため息を聞くと
彼女は心配そうに言う
「まぁ・・・
しばらくはうるさいと思いますが
直ぐに忘れますよ・・・
あの人たちの事だから・・・」
「そうだよねぇ・・・」
苦笑いしながら
本当に気持ちが重かった
バレたら彼に迷惑がかかるし
大変な事になるのは分かっているので
それを考えると
本当にどうしようという
気持ちしかなかった
「今日は
大倉さんは現れないですかねぇ・・・・」
彼女も不安になっているのか
私に聞いてきた
「そうだね・・・」
私は静かに返事すると
「先輩から連絡したい時は
どうするんですか?」
私は考えた
そんな事はなかったから
連絡する手段がなかったのだ
「待っているかなぁ・・・」
「そうですかぁ・・・・」
彼女は私にそう言うと
それ以上は何も言わなかった
二人は無言で歩いて別れた
私は一人で考えていたのだ
もし、バレてしまったら
私たちは付き合って行けるのだろうか
今度こそ別れなければいけないのでは
ならないのか・・・・
そう思うと不安でしかたなかったのだ・・・
彼に会えない夜に
不安でしかない時間を過ごしていたのだった