第51章 心配事
彼は本当に優しい人だ
いつも私を気遣ってくれている
そして、過去の大きな傷を持っている私を
誰よりも愛している
だから私は、彼を幸せにしたい
でも・・・・・
私は、部屋の鏡に自分を映して
悲しくなっていた
この傷がなかったら・・・
そう思うとため息しかでなかった
私は傷を隠すように
シャツを着て仕事に出掛けた
私が仕事場に着くと
店の空気が違うのに気が付いた
何かと思ったが私は気にする事なく
仕事をしようと思ったが
私の事を見つけた彼女が近寄って来た
「おはようございます・・・
やばいですよ、バレタかも・・」
「えっ?」
私は彼女の言葉に驚いた
「プロモーションに出ませんでしたか?」
その言葉に考えると
過去に彼に頼まれた事があった
私は驚いて彼女を見ると
彼女は周りに聞こえないように
話し始めた
「それを見ていた子が
先輩かって・・・
噂しているんですよ・・・・」
「背中なのに?」
その言葉に今度は彼女の方が驚いた
そして小さく笑って
「まぁ、分かる人には分かるのかも
でも、惚とくしかないですよね」
その言葉に私は頷いた
何を聞かれても
知らない顔をすると覚悟を決めたのだ
でも・・・・
私への噂は強くなっていた
ヒソヒソと私を見ては話していた
その事で私のため息の数が
どんどん増えていくのだった