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科学班の恋【D.Gray-man】

第80章 再生の道へ



「本当に油断も隙もない…!」

「テメェの頭ん中は椎名で出来てんのか、この椎名馬鹿兎が!」

「イデデデ!暴力反対!つかオレの頭ん中がなんで出来てたって自由だろ!いいじゃんか南で出来てたって!人権拒否だからソレ!」


「わー…思いっきり言ったね」

「ラビ先輩、潔いっス」

「単なる阿呆じゃ」

「そう言ってやるなブックマン」



ゲシゲシとアレンと神田に蹴りを入れられながらも、張り上げるラビの言葉にジョニー達は感心混じりに頷いた。
ここまではっきり告げれば、ある意味潔い。



「でもほんとラビは南が好きだねー…って」



軽く笑いながらジョニーが目を向けた先。
隣に立つ南は呆れたものか、苦笑混じりのものか。
そんな見慣れた顔が目に映るとばかり思っていた。
しかしジョニーの視界に入ってきたのは、俯き加減に顔を傾けている南の姿。



「………」



その頬はじんわりと微かに赤く色付いていた。



「……南?」



思わずぽかんと見てしまう。
どう見たって照れているであろう、見慣れぬ同期の姿に。



「「「………」」」



それはジョニーだけではなかった。
足蹴りしているアレンと神田、そして足蹴りされているラビもまたピタリと動きを止める。
その目は一同、予想外な南の姿に釘付けになっていた。



「…南…?」



最初に我に返ったのはラビだった。
恐る恐る倒れ込んだまま下から見上げ、問いかける。
そんな彼の声に、自由な利き手で目元を覆うと、南はぎこちなくそっぽを向いてしまった。



「恥ずかしいから、そういうこと大声で言わないでよ…ほんと」



そうは言うものの、どうにも普段の南をよく知っている分、羞恥心からくる照れだけには見えない。
ラビは思わず目を剥いた。



(ス…ストライクッ!!!!)



初めて南への想いに自覚した時でさえ感じなかった弾丸のような衝撃が、ラビの胸を貫く。
叶うのならばこのままお持ち帰りしたい程に。
というか持ち帰ったっていいんじゃないか今ならば。
許されるんじゃないか今ならば。

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