第16章 赤い夫との甘い夜
征十郎が私をゆっくりとベッドへと下ろしてくれた。
『ありがとう』
征十郎は少し微笑むと私の腰あたりで跨いで上半身裸になった。
バサッ
征十郎はそれを隣のベッドへと投げた。
「脱がすよ」
征十郎はそれだけ言うとまた深い深いキスを繰り返した。上着、ズボン、下着と順番に脱がされていく。もちろん私には「抵抗」という言葉は頭の中になく、ただただされるがままになっていた。
私と征十郎の水音が部屋に響く。
『んっんっ……んんっふっ…………』
私はもうそろそろ息が苦しくなってきたので征十郎の肩を叩く。
征十郎はそれに気づいてゆっくりと離れていった。
『ぷはぁ!はぁっ……はっ…』
「過去最長かな?」
征十郎はしれっと言った。
『いや…知らんって………』
「結構必死についてきてたね」
『目開けてたのか…………』
「さすがにずっとじゃないよ。美桜の赤い頬とか真剣に舌を動かしてる顔を見ただけだよ」
『結構がっつり見てる…』
「まあ、その話は置いておこうか」
征十郎は鼻と鼻とが触れそうなぐらい顔を近づけた。