第16章 赤い夫との甘い夜
ガチャ
私たちは案内された部屋を見つけて中へと入った。そこには大きなガラス窓があり、夜景を一望することができる。
『きれい…………』
「ああ。そうだな」
征十郎が隣へ来て私の腰へと手を回した。
「美桜」
『ん?』
私は征十郎の方へと顔を向ける。征十郎はだんだんと顔を近づけてきた。私はそれに応えるように静かに目を閉じた。
チュ クチュ クチュ
私は征十郎の首に手を回し、お互いに貪るように深い、深いキスを繰り返した。
『ん……。んんっふっ…………』
私はいつもより荒いキスのせいでまともに立てなくなっていた。
気持ちいい。足がガクガクする。
私は激しく、荒い、でも優しいキスで脳内がおかしくなりそうになりながらそんな事を思っていた。
『ぷはっ……は…っは…………』
私は口から銀色の糸を引きながらそのまま床へと落ちた。征十郎は私をしっかりと抱きとめる。
「大丈夫かい?」
『あ、足が…………』
征十郎は私がもう立てないと確認すると私を横抱きにしてベッドへと運んでいった。