第16章 赤い夫との甘い夜
〈あっ!やだ!!もう私ったらごめんなさいね!なるほどだからここに…………。じゃあとびっきりのスイートルームがいいわね。ここなら空いてるわよ〉
セシカさんは部屋案内の紙を出して指を指した。
〈ありがとう〉
《ありがとうございます》
〈お代は半分でいいわよ♡私が払っておいてあげるわ!〉
セシカさんはウインクをしながら言った。
〈いろいろとすまないね。あと父さんにはここに来たことを内緒にして欲しいのだが……〉
〈大丈夫!まかせて!!〉
〈ああ。よろしく頼むよ〉
《半額だなんて…………。ありがとうございます。セシカさん》
〈私からのささやかなお祝いよ。じゃあいい夜を〉
《セシカさんも》
私たちは握手をして、エレべーターへと乗り込んだ。
ウィーーン
ガタッ チーン
エレべーターの扉がゆっくりと開く。
『これ左右どっち?』
「左だよ」
私たちは案内された部屋へと歩いた。