第16章 赤い夫との甘い夜
征十郎は私の隠している手を剥がそうとする。
「そんなのに馬鹿力はいらないから。顔見せて」
『顔真っ赤だから無理。NO!』
「はあ……。しょうがない」
征十郎は諦めてくれたのか……。と私はほっとした。そして、征十郎が片手で支えていた手の力を緩め、私の上へと被さった。
『え?あれ?征十郎?重い』
返事がない。そして征十郎の髪が頬に当たってくすぐったい。
『…………無視しないでくれますか?』
すると返事の代わりだろうか、枕に突っ伏していた顔を私の方へ向ける。
ふぅーーーー
『あぁぁぁぁっっ!!んあ!やっ!!』
征十郎は私の耳の中へ息を吹きかける。
ペロッ クチュ チュパ
『あっ…………。いやっ…………。だめっ!んん!!』
舌が私の耳の中で踊り、水音を立てながら攻めてくる。
「やめてほしい?」
征十郎は耳元で少し声を低くして話す。
「やめてほしいのなら顔を見せてくれるかい?」
『み、見せるから…………。起き上がって………………』
「ああ。すまないね」
征十郎はまたさっきの体勢へ戻った。私と焦点が合う。
「もう赤くないね。それより息上がりすぎじゃないのかい?」
征十郎は私の頬を撫でる。
『だっていきなりするから…………。それに耳弱いの知ってるでしょ?』